国際教育の重要性を実感!

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私はサイパンへのゼミ合宿を通して、「自分の目で見て、感じ、考える」ことで、国際教育をちょっとでもかじることの重要性を実感しました。

私はゼミ合宿に行く前に、自分なりにサイパンの戦いについて調べました。日本側の記述を見る中で、“日本人対アメリカ人”という構図と“悪いアメリカ”の姿が多くありました。印象に残っているのは、アメリカ軍の非人道的な行為や、「彼らに殺されるくらいなら」と自ら命を絶った日本人に関する記録です。これがサイパンで起きた全てではないと頭では分かっていても、内容が衝撃的すぎたためか、サイパンの戦い=サイパンの悲劇という一つの考えにとらわれてしまいました。そんな思いで見た「太平洋の奇跡」の率直な感想は、現実はもっとひどいものだったはず、ということです。日本で知った“事実”を思いながら、この映画には描かれていない民間人の姿こそ、教えるべき・知るべきだと思いました。ここでも、サイパンの戦いにおける“日本人の”悲劇で頭がいっぱいだったのだと思います。翌日の戦跡巡りでは、事前学習や映画を通して間接的に見ていた場所を見る中で、新たな発見と学びがありました。それは、原値住民の存在への意識と戦後もサイパンの戦いを見つめる人々の存在です。実際にサイパンに行って、原住民の言葉で書かれた説明を目にしたり、チャモロ料理を味わったり、豊かな自然を体感したりする中で、「日本人とアメリカ人だけのものではない戦争」というものを感じて、考えるようになりました。一方で、崖の上に立てられた石碑や像、遺骨の捜索活動をする日本人大学生の存在を知り、「もっと戦争のことを考えるべき」と口先だけ言いながら、自分は何もしようとしていなかったことを恥ずかしく思いました。知識に加えて、「自分の目で見て、感じ、考える」という体験をしたことで、サイパンの景色のひとつひとつが一層の意味を持つ忘れがたいものとなりました。また、今回得た感覚によって、他の戦争、さらには日本と世界に対する見方が広くなり、考えも深まりました。二日目の夜の勉強会でこばさんは、「国際教育をちょっとかじること」とおっしゃっていたのですが、その言葉が強く印象に残っています。この「ちょっと」が、物事の見方・考え方に大きな変革をもたらす可能性を強く感じたのが、今回の合宿でした。

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