留学は自分をアピールするツールだが、武器ではない

阿部仁美

留学していたという経歴そのものが就職の役に立つとは考えにくい。留学斡旋会社や留学アドバイザーなどの職では役に立つかもしれないが、一般企業の場合は、留学がアドバンテージになるとは考えにくい。理由は、留学経験者は世の中に大勢いるからだ。バイリンガル、トリリンガルは当たり前である時代で、留学を通じて身に付けた語学力はアピールしても差別化には効果が薄いと考える。また、留学先で困難を乗り越えた経験や、成果を残した経験などは、面接官も聞き飽きていると言う。大切なのは、そこで自分が何を考え、どのように行動して、結果どう感じたのか、自分自身の言葉で語ることができるかどうかだと考える。留学は自分をアピールするツールとして使えるが、武器ではない。留学経験という事実だけに甘んじず、自分自身を理解し、語れることが重要だと考える。