
コラム③ 社会はグローバル人材を求めている
久米梨紗子
グローバル人材。最近非常によく聞く言葉だが、一体グローバル人材とはどのような人のことを言うんだろうか?ただ、英語が堪能であればそれでいいのだろうか?私たち小林ゼミナールでは、マイナビという就職情報サイトを運営している企業に協力を依頼し、企業は本当にグローバル人材を求めているのか、そして企業の求めるグローバル人材とはどのような人なのかということを調べてみた。
マイナビさんでは「マイナビEXPO」という企業をたくさん集めブースを作り、就活生と企業の接点を作る大きなイベントがある。このEXPOにも東京で開かれる最も大きなものの他に、関西で開かれるEXPOや、Uターン就職を考えている学生のためのUターンEXPOなどいくつか種類がある。その一つに「国際派就職EXPO」という、グローバル人材を望む企業を集めたEXPOがある。グローバル人材を欲している企業といえば、接客業や航空系、輸出入に携わる商社などをイメージする人が多いのではないだろうか。しかし実際は、企業の業種や規模を問わず、本当に多種多様な企業が国際派就職EXPOに出展している。なぜ、みんなしてグローバル人材を欲しがるのか。その根底には国内市場の縮小という現状がある。日本は年々少子高齢化が進んでおり、人口は減少傾向だ。それはつまり、どの企業にとってもお客さんの数が減ってしまっているということだ。収益をあげるにはお客さんは不可欠である。お客さんの数を増やすには、海外にいる人々もお客さんにしていく必要があるということだ。こうして海外市場へ進出をすると、今度は市場拡大による競争の激化という壁にぶつかる。世界各国にある膨大な企業の中で勝ち、生き残っていくためには、コスト削減など様々な工夫を凝らさなければならない。日本は山ばかりの小さな島国で土地も少ない。人件費も高い。そうして工場を人件費の安い国に構えたりすることになるのだ。こうなってくるともう1企業の拠点は1つの国の中に収まらなくなってくる。世界各国の企業が同じことをすればどうだろう。もう、ビジネスは国単位なんかでは語れない、無国籍化していると言えるだろう。こういった現状ゆえに、どんな企業もグローバル人材を必要としているのだ。
就職活動の現場では、企業が留学経験者をグローバル人材として積極的に採用したいと考えているケースが多々見られる。留学経験者に求められる、グローバル人材としての素質とはどのようなものだろうか。求める素質として大きな割合を占めたものが語学力、行動力、バイタリティ、国際感覚、コミュニケーション能力だ。せっかく留学に行くのであれば、当然これらの素質を身に着けて帰ってきたいものである。私は自身の経験から、これらを身に着ける成功のカギは積極性にあると考えている。積極的になろうとすれば、自ら行動し、行動力が身につく。留学先で行動範囲を広げれば、たくさんの新しい友達を作ることができる。彼らと行動を共にすれば必然的に英語を話す機会は増えるし、文化の違いに触れる機会も多い。自然と語学力、国際感覚、コミュニケーション能力が磨かれていく。そうして充実した留学生活を送っている人はバイタリティ(活気)に溢れている!積極的になることで、求められる素質が身につく良いサイクルの中に身を置くことができるのだ。就職活動のための留学をオススメしたいわけではない。ただ、大学生活の中で社会に求められる人材になるということはとても大切なことであるし、そして留学はその有効な手段であると言えるだろう。