
語学習得を目的とすれば達成度が低下する
濱谷愛美
一般的に「留学」という言葉を聞くと、「英語を話せるようになる」など語学を目的とするイメージが湧くであろう。私も高校時代に留学を夢見ていた頃はそうだったし、実際に留学に行った目的の一つには含まれていた。しかし、それを第一義とすると、留学としての達成度が下がると思うのだ。その理由は語学の習得の曖昧性だ。何を持って語学の習得なのか。大学生で留学へ行く場合、20代にて初めてネイティブと同じ生活を送り、また、留学期間は半年から一年など限られている。その短期間の中での語学習得率がいかなるものかは、同じアラバマ大学へ留学した友人とよく話す。要するに、語学の習得を第一の目的とすると達成できたかが曖昧になり、留学全体としての成功と呼べなくなるのではないかと思うのだ。語学の習得という留学をしなくてもできるものを目的にするのではなく、留学でしかできないこと(たとえば国際交流など)に焦点を置き、いかなる外国人とも話していく積極性やバイタリティがあれば、語学の習得はおのずとついてきて達成でき、留学自体も自分が楽しめた、充実できた、満足できたものになりやすいのではないかと考える。