外国人と共に働くことでコミュニケーションを学ぶ

田中翔

留学が必ずしも必要かと言われれば、必要ではないと考える。留学よって得る成果というものは、その人の目的や目標によって異なるからである。海外に行けば何かしら得られるというのはお門違いであり、目的が定まらない限り、それはただの「海外旅行」にすぎない。私自身はアメリカ留学を経験し、「日本人としてのアイデンティティ」を意識することとなった。もともとの留学の目的は、語学力の向上や外国人と働くことを通してコミュニケーションを学ぶことであったが、一番大切だと感じたことは、「日本人とはなんなのか、日本人の中の自分とはなにか」といった自分探しみたいなことであった。アメリカの様な多様多種な人間が混在する環境では、自分が何者であり、なにがしたいのかという自己主張を求められる場面があるため、改めて自分を知る絶好の機会となった。留学は必要ではないと先に述べたが、慣れた環境を脱して、新しい環境に飛び込むことで、新しい価値観との遭遇や精神力の成長が見込めるため、海外を訪れることはとてもいい経験を得るきっかけとなると考えている。