
自分に変化をもたらしてくれる
阿部仁美
留学が必要だと考える理由は、2つの変化をもたらすからだ。1つは「性格の変化」で、もう1つは「考え方の変化」だ。
どんな留学であろうとも、これまで育ってきた環境とは異なる新たな地で生活をしなくてはならない。不安の中で生きぬく精神力や自立心、自らの意志で決断する主体性や責任感が培われると考える。また、様々な国籍の人々と関わる中で、「自分」という存在を見つめ直す良いきっかけにもなるだろう。私の友人も、留学から帰国後、内向的な性格から外交的な性格へと変わったという。その変化が良いか悪いかは別として、留学を1つのきっかけとして、自分の内面にあった特性を見つけ出すことが出来るのも、留学の魅力でもあると考える。
留学を通じて、あらゆるバックグラウンドを持つ人々との出会いがあるだろう。そういった関わりの中で、自分の考えに偏りがあることに気付くこともある。10人いれば10人の考え方があり、国籍が違えばそのギャップも大きいだろう。日本で生じる考え方の違いといえば、世間一般的に常識と言われている価値観が、ある程度共有されている人々の間で生じるギャップだけだろう。しかし、その共通認識が無い中での価値観の差異は、自分の考えを大きく変えるほど、刺激的なものがあるに違いない。日本にても、誰かの影響で価値観が変わることはあるが、出会ったことのないタイプの人々と関わる留学の方が、刺激を受ける機会が多いように考える。性格と考え方、どちらをとっても自分の可能性を広げるという意味で、2つの変化は良い効果をもたらすため、留学は必要だと考える。