高校生とそのご家族へのメッセージ

小林 明

このページは、海外留学について現役大学生の生の声を、特に高校生に対して発信するものです。その内容は、4年間の大学生活を数か月後に終えようとしている明治大学国際日本学部の小林ゼミナール(国際教育交流)の学生が自分自身の学生生活を通して海外留学をどのように捉えているか様々な視点から考察しています。

彼らの学生生活はマスコミが「海外留学者数、加盟国中ワースト2位」「内向き志向が原因?」「ゆとり教育の弊害か」といった報道で若者批判を過熱させているほぼ同じ時期に大学生活を開始しました。そうした環境の中で政府は「グローバル人材の育成」を推進する官民ファンドの「トビタテ留学JAPAN」キャンペーンを進め、留学を財政的に支援する姿勢を押し出し、大学生の大学間協定による留学数は近年増加傾向を示しています。

ここでいう「留学」とは日本の大学に在籍中に海外の4年制あるいは2年制大学で単位取得を主な目的に一定の期間を在籍することとしています。従って、日本の多くの大学や短期大学で実施されている半年間あるいは1年間の交換留学や派遣留学に加えて、外国語や社会文化研修として長期休暇中に数週間実施するプログラム、さらには海外における短期・長期のボランティア活動やインターンシップといった形態の学習も含めています。

私は大学で留学制度の立ち上げや運営に関わっている者として、また留学に興味をもっている学生の日常的な相談にのっている者として、留学への興味があるなしに関わらず事前教育や事前研修に関わっている者として、また国際教育の重要性を実感する者として学生の体験に基づく生の声を届けることを決めた次第です。インターネットで海外留学や留学といったキーワードを入力すると留学手続きのノウハウものや留学先大学等を紹介するもの、特に留学斡旋業者によるサイトが大半を占めています。

学生達は、あまりに多い情報の中で何を信じ、何から始めたらいいのか分からない状況に置かれています。留学については、しばしば「人生の転機になった」「人生の宝物になった」「人生最高の思い出」等々といわれ、関心を引きますが、その実態は分かりにくいのが現実です。そうした同じ状況にいたかつての高校生が様々な大学生活を経て、卒業まじかに留学体験について語ったものです。いま高校に在籍している生徒やその家族の方々に彼らの気持ちの移り変わりを覗いてみて欲しいのです。

色んな考え方があるということ、しかしそれでも留学は大変貴重な体験だと述べています。公開されることを承知で実名で投稿している学生に敬意を表し、社会人としての活躍を祈念する次第です。

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