初めての留学は語学習得が目標でもいい

兵頭純子

初めて海外留学をしよう!と思う大半の人々は、語学力の向上を留学の目標とするのではなかろうか。私たちがゼミの活動の一環として留学をした学生に調査したアンケート結果においても「留学の目標はなんでしたか」という問いに対し、「語学力の向上」と答えた学生が約8割であった。留学をすれば、母国語でない言葉をいやでも話さなければいけない環境に身を置くため、語学習得の近道であると考えるものが多いのかもしれない。私自身もそのような考えを持つうちの一人であった。以上のことから、留学の目標は語学習得が第一義であるという問いに対しての私の答えはYESである。

しかし、これははじめて海外に留学する者に関して大きく首を縦に振れるのであって、複数回留学に行く者に関してはなんとも言えない。もちろん、もっと自分の語学力を向上させたいという意欲をもって二度目、三度目の留学する者も少なからずいるとは思うが、私は自分自身の経験や、幾度もの海外経験を積む友達に聞いたことから、複数回留学に行く者にとって語学力の向上はプラスアルファの要素であり、それとは別に個々の目標があるのではないかと考える。

その国の文化や歴史、もしくは多種多様な国籍の人々と関わりたいなど語学習得以外に留学に行く目標は人それぞれだ。また、得られるものだってもちろん様々だ。先述したアンケート結果からもうかがえることであるが、実際に留学目標を「語学習得」とした人に、「帰国後一番の収穫は何だったか」という質問に対する回答は「語学力」と答えた人は約6割にまで減少してしまうのである。これは別にマイナスなことではないが、彼らは「異文化感性」や「コミュニケーション能力」など留学前にあまり期待していなかったものが予想に反して自分たちの中で確認された結果なのである。

留学に行く目的は、初めは語学力の向上、語学習得かもしれない。それはそれで素敵なことである。母国語以外の言葉を話せるようになることで、コミュニケーションの幅もぐっと広がるのだから。そして、その留学をきっかけにもっと、もっと、どん欲に国際社会に興味を持つ学生が増える傾向にあれば、国際教育を研究し、推進する学生の一人としてこれほど嬉しいことはないのである。

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