国内留学という概念について

庵耀一

某英会話スクールのキャッチフレーズで「駅前留学」というのがあったが、ここではまず留学とは一体何なのかについての定義してみようと思う。そこで第一に既にある定義をいくつか調べてみた。

まずは岩波国語辞典における留学の定義である。それは「その他、特に外国に、かなり長期間とどまって勉学すること」(岩波 国語辞典 第6版 1270ページ)である。ここから一つのことが推測できる。それは留学が主に海外において行われるものであるということである。例外としてあるのも日本国外から日本へ留学するケースくらいであろう。結果として、言葉の意味として定められた情報によれば留学は国内では不可能だということになる。

しかし果たしてこの定義は正しいのだろうか。近年では国内留学という言葉もあるにはある。ただ国内留学として存在しているものではスポーツや宗教に関係するものであり、ここで扱われるような、異文化体験や語学関係のものに対するものではないであろう。それでも国内留学は存在するのではないだろうか。このように主張できることの根拠として例を挙げることができる。それはIさんの体験である。彼は中学性の時に異文化体験を目的とする宿泊研修に参加した。その施設名はブリティッシュヒルズであり、英国の文化が中心の異文化体験をすることができるのである。狭義的に言ってしまえば留学は元の場所とは全く異なる土地で住みつき勉強をするというような意味になるが、広義的には日ごろとは違う環境で数日間過ごすだけでも十分に留学と言ってもよいと考えることもできよう。また、国内留学に関して違ったプログラムもあるようである。それが合宿制英会話学校LanguageVillageである。ここでは海外という全く、またほとんど不慣れな環境とまではいかないが、英語をほぼ一日中行うようなプログラムが実施されているようである。このプログラムもまた留学と言っても過言ではないであろう。

以上の理由により国内におけるそうした体験も留学と称することは可能なのではないかと考える。