どんな留学でも貴重な体験となる

庵耀一

中途半端な留学が人生を台無しにすることはない。留学の目的がなんであれ、また万が一主な目的を達成できなかったとしても、長い人生の一部であり、たとえ失敗であろうとそれは貴重な実経験なのである。

まず、留学するのだから誰かとは接触するということである。いくらそれが短期の留学であろうと、日本人グループの中の一人として参加しようと、今までとは違う環境で過ごす上に考え方が違う人々と接するのは確かなことである。そうした体験は日本ではそれ程日常的に経験できることではなく、決して無駄なものではない。

次に考えられることは、自立する力を養うことができるということである。留学は家族と離れて独りで異国の地へと旅立つということである。もちろん元々親元を離れて生活している人も家族との生活を享受している人もいずれも一人の生活に挑戦するのである。しかも新しい環境と新しい人々に囲まれて日々の生活を送るサバイバルとなる。その体験は自立のための優れた訓練環境ではないか?。

もう一つは文化の違いを学ぶべるということだ。衣食住から衛生面まで日本と異なる部分は多くある。実際にIさんが留学した際は、食事の味の濃さに耐えることができずに最初の頃はやせてしまったという。部屋の中で靴を履いたまま生活するなどということは日本では例外的だが、現地では常識でむしろ部屋の中を裸足で歩くことの方が稀かもしれない。そうした違いの存在を認知できるようになることで異文化に対する許容の心を学ぶことができるだ。

最後は、留学による自分自身の変化です。巷では短期留学なんて全く意味がないとか何も変わらないとか言う人もいるようですが、果たして本当にそうなのでしょうか。今まで行ったことの無い場所に滞在し、帰ってくるだけでも少なくとも何かしらの収穫を得ることができます。留学によって何かしらの新しい体験をし、その経験から学ぶことも多くあると思われます。その留学での主な目的を達成できなかったとしてもすべての経験が損失なんてことはないのです。