語学力が低くても留学できる!

兵頭純子

「あまり英語が話せないから…」という想いから留学に踏み出さない大学生が今非常に多い。日本経済新聞がおこなった「留学したいか」という調査に男女計3,256人が回答した結果によると、「留学したいと思わない」との回答が25.6%、「あまり思わない」が12.9%で、留学に後ろ向きの学生は計38.6%だった。一方、「留学したい」は17.0%、「できればしたい」は16.4%で、前向きの学生は33.4%にとどまった。留学に後ろ向きな理由として44.0%が「費用が高い」を挙げ、「外国語が苦手」が43.8%で続いた。約半数の学生が外国語が苦手という理由で留学をあきらめてしまうのは非常にもったいないと思う。語学力を伸ばすために留学という手段があるのではないか。語学力が低くても、語学学校や2年制カレッジなら入学することは可能である。学内に英語を勉強する場所を設けてくれる大学だって多々ある。2年制カレッジから4年制カレッジへ編入することだってできるのに、語学力に自信がないからといって留学しないのはまったくもって理由にならない。
ただし、留学に行くことができても、そこでの授業はもちろん英語。テストやレポートだって英語になる。必要なのは語学力よりも、自分の語学力が低いという認識とそのことを引け目に感じることなく、悔しさや困難をばねにして乗り越えていけるような忍耐力や前向きさであると思う。また、日本と海外の教育システムはまったく異なる。海外の教育システムの特徴としては日本に比べ、学生が主体的に授業に参加する形態が多い。ディスカッションを積極的におこなったり、授業中に質問を投げかけたり、テストの点数だけでなくプレゼンテーションや授業への参加率等が評価の対象になったりと、日本人の学生には不慣れなことも多いように感じる。生活環境だけでなく学習環境においても「異文化」とよべるなかで、さまざまなフラストレーションをも異文化感性を磨くいい機会だと思えるようになることも大切であろう。
もちろん、国によって留学のシステムは様々だ。高校生が日本の高校を卒業してすぐに海外の大学に進学するケースは難しい場合が多い。しかし、語学力が低くてもいくらだって留学する方法はある。悩んでいるくらいなら、一歩踏み出す勇気を持ってほしい。人生は一度きり!!日本でとどまっているだけではもったいない。