
日本を知り、アウトプットする機会は留学前に
濱谷愛美
留学前研修は何をすべきかということを明確にする必要はあるが、留学経験を経て留学前に知るべきだったと最も感じたことは、「日本のことを知る」ことである。明治大学国際日本学部では、国際と日本という言葉が学部名に入っているように、日本の文化や社会について勉強する機会が設けられていることは確かである。それも大切なのだが、もっと基本的な知識(政治や経済、日本の地理など)を英語で言うことが現地ではまず必要になった。知識的には高校で学ぶべきことではあるが、いざ日本のことを全く知らない外国人に日本のことを英語で説明するということは想像以上に大変であった。それは、現在の大学では英語で話す機会が圧倒的に少ないということに起因していると思う。私がこのギャップを少し縮めることができたのは、オフィスアワーに参加していたことが大きい。オフィスアワーは、大学で行われ、外国人教師が教室を開放しその間、自由に集まって英語で会話をする時間である。ある日、オフィスアワーで、お酒のおつまみで好きなものを話していたところ、ホタテの貝柱といった際に、教師が「それはどんなものでどんな感触がするのか」と聞いてきた。当たり前に知っているものを説明することがいかに困難かを知った出来事であった。日本のことを知り、それをアウトプットする機会は留学前に経験して損はないし、むしろ必要である。それに伴って、わからなくても何とかして話そうとする努力や、伝わらないことを恐れずに交流する度胸は、留学先で必要なことである。