④課外活動について
H.K.
<International neighbors(通称ネイバー)>
このクラブにはいろんな国籍の人がいて、タイ、ベトナム、サウジアラビア、台湾、などなど、いろんな人と仲良くなれた。活動は毎週月曜日と木曜日で、月曜日は様々な国の文化紹介(メンバーがプレゼンしてくれる)や、カードゲームをしたり、みんなで映画を見たりした。英語を話す聞く練習をたくさんできることももちろん良かったけれど、日々の授業で嫌なことがあったりガッカリするたびに、メンバーに励まされた。大きなプレゼンテーションや、憂鬱な授業の日にはメールをしてくれる友達もいた。
木曜日はバイブルスタディーで、聖書をみんなで勉強した。聖書を学びたかったわけでも、クリスチャンになりたかったわけでもなくて、学校以外の時間で英語を話す時間が欲しかったから、毎週どんなに疲れていても通っていた。でも毎週聖書から学ぶことは多くて、どう思ったか、自分の生き方にどう生かせるか、とかみんなで話して、留学中にこういう機会があったことはすごく良かった。聖書については全く詳しくないけれど、基本的なことは知れたし、アメリカ人を始めキリスト教を信仰している人の基礎となる考え方を学ぶことが出来た。
アメリカ人は本当に聖書とともに育ってきた人が多くて、仲の良いアメリカ人の友達は「物事の善悪や思いやりなど道徳的なことは、ほとんど聖書を参考にして育ってきた」と言っていて、そこが全く日本人とは違うと感じた。だんだんバイブルスタディーが楽しくなって、11月くらいからは、毎週土曜か日曜に仲の良いアメリカ人の友達2人と現地で出来た日本人の友達とバイブルスタディーをしてた。この留学期間中、イライラすることも人に呆れることも沢山あった。
けど、バイブルスタディーで学んだことの一つである、“人の振り見て我がふりなおせ”が本当にぴったりなくらい、自分はどう?と考え直す機会をバイブルスタディーはくれた。あとは先入観を持たないこと、物事をポジティブに捉えること、納得いかない事や物や人に対しては“ただ立ち向かう”ことが正解ではないこと、などなど沢山学んだ。
こういう事々が大切だってことは、考えたら分かることだけど、聖書の中には沢山物語があって、その物語を読んでいる中で自分に大切なことを吸収していくスタイルだから、学んだ教訓みたいなものがすごく染みついた。物語の登場人物の言動を見て「この人最低だな」と思っても、自分と重ね合わせてみると意外と自分も最低なことをしてしまっていることに気付くことが出来たり、自分を客観視できる機会でもあった。
<Journey>
これは、2泊3日でバイブルスタディーをしたり、色々な大学から集まる学生と親交を深めたりするキャンプだった。10月18日~20日に、電波も届かない山中に行ってきた。3日間ルームメイトと離れるのが少し心細かった。
1日目。一緒に行く友達の運転する車に2時間程乗って到着すると、とても寒くて驚いた。さすが山中、という感じだった。到着してすぐ部屋に行って荷物を置いてミーティングへ。部屋は女子14人部屋で二段ベッド。すでに夜が楽しみでワクワクしていた。ミーティングに行くと、教会でいつも歌うような讃美歌をみんなで歌った。讃美歌は簡単な英語ばかりで、私でもすぐに覚えることが出来た。歌を歌うことが好きな私は、この讃美歌を歌う時間が楽しくて大好きだった。そのあとはチームで別れて早速バイブルスタディー。
このキャンプでは、“Just bring who you are. Discover yourself.”という言葉がテーマとして掲げられているだけあって、バイブルスタディーというよりは、「自分とは」ということや人生に関して改めて考える機会が多かった。みんなで話し合う時間や、自分の意見を言う時間が大半だった。自分の意見を言うのがまだ怖かった私は、「自分の話が伝わらないかもしれない」と思い、話し出せないことが多かった。その時、私の気持ちを察したチームメイトが「とりあえず喋ってごらん、ゆっくりでもみんな怒らないし、待ってくれるから」、「Speak anyway! You don’t have to be shy」と言ってくれてすごく勇気づけられたし、この言葉は留学期間中ずっと心に残っていたし、まだ大切にしている。
その後は、みんなでダンスパーティー!ハロウィンが近かったため、それぞれ仮装をして参加することが条件だった。私は大好きなキリンのコスチュームを着て参加(笑)アメリカ人は、皆が前に前に行って積極的に踊ってた。それに比べてやっぱり一歩引いて見てしまう自分がいて、日本人の友達と「やっぱり私達日本人だね」と話していた。大好きなスパイダーマンの仮装をしている人に出会って大興奮して写真撮ってもらった。すごく仲良くなったのに、遠く離れた大学にいるからもう会うことが出来ないかもしれないと思うと寂しくなった。
2日目。朝7時にアラームかけたら、みんなに「アラーム早くない?」と言われた。集合時間は7時半なのに!みんな朝起きて髪もそのままで、化粧もしないで食堂に行くから5分前くらいまで寝ている人もいた。朝ごはんはシナモン強めのパンケーキとソーセージ。大好きなものばかりで嬉しかった。そのあとはホールに行ってミーティング。卒業生のプレゼンを1時間くらい聞いて、意見交換の時間1時間くらいを2セットくらいやって、結構辛かった。意見が無いわけではなくて、まだ自分の英語に自信が無くて伝わるか不安で喋るのが怖い中、メンバーの前で自分の話をするのが一回一回不安で緊張していたから、疲れも倍だった。
私にとっては、それを克服することもこのジャーニーに参加した目標の一つだった。お昼食べた後はフリータイムで、大人数でトランプをした。ビリヤード、卓球、サッカーゲームもしてとっても楽しかった。そのあと夕飯のトルティーヤを食べて、ミーティングへ。この回は、みんなクリスチャンとしての信仰心を丸出しにしていて、信仰していない私にとっては少し重い回だった。神の存在を見たのはいつか、神の力を信じるか、など。
クリスチャンの中にも色々な種類があることを初めて知ったし、このキャンプに来ている人は色んな種類のキリスト教を信仰している人が多かった。そのせいか分からないが、私が信仰していないことに対して寛容だったし、それぞれだよねって受け入れてくれた。こんなにもバイブルと一緒に育って、善悪とか常識とかそういうことを全部バイブルで学んだ人が多いのは、私にとってはカルチャーショックだった。
最後にまたみんなで讃美歌を歌ったが、中には泣きながら歌っている人、上に手を掲げている人、旗を振っている人など、それぞれ色々な形で信仰心を表していてすごかった。こんなにも一つのことを信じて、形のないものに向かって一生懸命祈っているのは、日本ではなかなか見れない光景だと思った。
この3日間(最終日は帰っただけなので、ほぼ2日間)、携帯は圏外で、夜は星が沢山ハッキリ見えて、自然が大きい山の中で過ごせて、そして新しい出会いが本当に多くて、自分の英語力が壁になって辛かったことも含めて、刺激的で幸せな3日間だった。
週末の3日間このキャンプに参加することは、授業や課題で手一杯の私にとっては挑戦だったけれど、それでもこの機会を逃してはいけないと感じたから、このキャンプに行くために前日までにキャンプの次の週の課題まで必死で終わらせた。このキャンプのために頑張れたこと、このキャンプを全力で頑張れたことは、留学中の大きな収穫だったと思う。