
不測の事態を楽しんでみるくらいの気概がほしい
久米梨紗子
留学先では、不測の事態は必ず起きるもの。その驚きを楽しんでみるくらいの気概がほしい。私はアメリカのインディアナ州に4カ月半滞在したが、その中で行くまでは予想もしていなかったアメリカでの日常生活について書きたいと思う。私はホームステイをしていたが、家によって生活のルールも様々だ。なので、寮生活をする人だけでなくホームステイでも、私と同じ経験をするとは限らないと思う。だが、これからアメリカに留学する人にとって、少しでも参考になればと思う。
まず初めに衝撃だったことは洗濯だ。アメリカでは大小は様々だが、たいていの家にランドリールーム、つまり洗濯機や乾燥機だけの部屋があるようである。そして日本のように外に干したりする習慣はなく、物干しがない場合が多い。そこで私もホストファミリーと同じように、洗濯機で洗い上がった物をそのまま隣の乾燥機にいれるという風にしてみた。乾いた洗濯物を見てびっくり。黒いジーンズは灰色になっているし、縮んでしまったものやしわがくっきりとついてしまったものが多い。色落ちに関してはどうやら洗剤が日本のものより強力なことが原因のようであった。縮みやしわに関しては、そもそも乾燥機に適していない素材の服だったからであろう。私はたまたま洗濯紐を持ってきていたので、物に結び付けてそこに縮みやすいものなどを干すことにした。それでも場所が少なかったので椅子の背にハンガーをかけて乾かしたりもした。乾燥機に向かないようなものは持って行かないか、もしくは洗濯紐や洗濯ピンチを持っていくなど工夫した方がよいだろう。
2つ目の困ったことはバスだ。家の周囲には歩いて5,10,15分程の場所にそれぞれバス停があった。1番巡回頻度の高いバスは30分に1本、あとの2つは1~2時間に1本しかない。それも夕方の5時を過ぎると一気に頻度が落ちてしまうのだ。平日でも授業が遅くまである日はぎりぎりだし、少し学校で勉強したり土日に出歩くと夜は帰る手段に困りがちだった。幸い私には日本語を勉強している友達ができ、お互いに勉強を教え合い、帰りはよく家まで送って貰っていた。あとはピンチの時のためにタクシー会社の電話番号を電話帳に入れて置くと安心だろう。
最後に、食事について。これは私のホストファミリー独特のルールだとは思うが、キッチンを自由に使うことができなかった。ホストマザーはかなり料理が上手な方で、その分キッチンにもこだわりがあったようだ。時々和食が食べたくなってもキッチンを使うことはできない。私は母に送って貰ったレトルトのごはん、親子丼のもとなどによくお世話になった。また、友達の誕生日パーティ-に行くときなどは、別の友達の家のキッチンをかりてお菓子を作ったこともあった。このように、家ごとに変わったルールなどもあるため心構えが必要だ。あまりにも合わない場合は変えてもらうこともできるので無理に我慢する必要はないので安心してほしい。
以上が私がアメリカに住んでみて驚いたことだ。いくら準備していても不測の事態は必ず起きるものだ。その驚きを楽しんでみるくらいの気概で留学に挑戦してみてほしい。