留学しないで後悔するより留学して後悔したほうがまし

庵耀一

留学期間とその経験から得られる成果は必ずしも比例しない。確かに留学期間が長ければ長いほど、より大きな成果を出すことができる可能性が上がるのは否めない。しかし、留学経験を積んだことによる成果はその経験の中で何をどのように過ごしてきたかが大事である。いくら長期間留学をしていようとも誰とも接触せずにただ呆けて過ごしているだけでは全く成果は望めない。反対に、短期間の留学でも主体的に動き毎日活動的に生活するだけで日頃学ぶことのできる物事は増えると私は思う。

筆者の友人で大学の三年生であるA君は夏休みに一ヶ月の短期留学を米国ですることになった。また彼の友人であるB君は前期から約半年間の語学留学を英国で既に始めていた。A君は語学学校にて毎日午前英語や現地の歴史の勉強にしっかり打ち込み、午後と休みの日は、もちろん授業の予復習は欠かさなかったものの、ホストファミリーと共に様々なところを周遊したという話を帰国後に聴いた。TOEICのスコアから見れば500点前後だったものが750点前後も取れるようになったと言っている。またその後の授業や街中で海外から来た人と話をする姿勢も慣れや積極性等の観点から良い方に変わっていた。一方B君は授業に集中していたということと極度の人見知りということから休みの日もあまり寮から外出しなかったという。友人も何人かはできたがそれほど頻繁に交際していたわけではなく、あまり授業でも自分を出すことができなかったと言っていた。帰国後の感想として何度も聴いたのが後悔の言葉であった。また実績に関しても、TOEICのスコアは元々650点前後取れていたものの結果的にはA君と同様で750点前後であった。私生活においてはむしろA君の方が良い意味で手馴れていた。

これらの例から、必ずしも留学期間の長短にその成果が比例するとは限らないともう一度主張したい。ならば果たして留学をして成果を大きくするにはどのようなことをやるべきなのか考えてみよう。それは端的に言えば毎日を有効的に生活しようということに限るのではないだろうか。モチベーションがあるのであれば何かしらのアクションは起こるし起こすことができる。またそのようなモチベーションを生かすことのできるようなチャンスもそこら中にゴロゴロ転がっているのである。このチャンスを生かすも殺すもまさに自分次第なのである。勿論幾つもの壁にぶち当たることも多々あることに違いはないとは思う。しかしながらその経験も貴重な経験なのであって成長の糧となることに違いない。やらないで後悔するよりもやって後悔したほうがましなのであって、何も動かなければ何も変えることができない。様々な機会をいかに手にするかが良い成果を出す鍵となるのであろう。