平和な国際社会の構築と人間が成長するための教育
阿部仁美
「国際教育」とは、平和な国際社会を構築し、全ての人々が発達するための教育だと考える。「平和な国際社会」と一言でいっても、個人によってその認識は異なるであろう。紛争や差別のない社会、そして、人種の異なる他者を思いやる社会こそが私の考える「平和な国際社会」だ。その社会を構築し、人々の成長を促進させる「国際教育」は、5つの観点から捉えることが出来る。
まず1つめは「国際理解」だ。戦争が生じる要因の1つとして、考えの異なる人々に対し、排他的になるからだと考える。自分が当たり前としてきた文化や宗教が正しいと思い、自分と同じ価値観を持つ人に仲間意識を持つ。それと同時に他者を敬遠する。他者の価値観を受容できないために、衝突が起こる。これが、世界中で繰り返されてきた戦争の発端だと考える。だからこそ、争いの無い国際社会を築くために「国際理解」が必要なのだと考える。
2つめは「国際協力」だ。他者への理解が出来たとしても、国や人種を越えた協力なしには、全ての人々の発展は望めないと考える。世界的に先進国、新興国と分けられているように、現在でも格差はある。中には同じ国なのに、生活水準が大きく違う国もあるだろう。格差はやがて衝突を生み、争いにつながる。全ての人々の社会的発展を望むのなら、他者を理解しただけではなく、一歩歩み寄り、協力することが大切なのではないか。
3つめは「国際平和」だ。安全な国際社会を維持するために、平和活動が世界的に進められるべきだと考える。いまだに対立が続いている国家間の問題、安全が保障されていない地域で暮らす人々の不安。世界との関わりが濃密な今でさえも、平和が保たれているとは言えない。軍拡への対応も含め、今一度「国際平和」への意識を高め、国際社会の安全を維持する活動が見直されるべきだと考える。
そして、4つめの「人権」と5つめの「自由」がある。全ての人々の発展を望むのなら、女性であっても、子供であっても、1人の人間としての権利が保障され、自由な思想を持ち、自由に意見を述べるべきだと考える。全ての人々の「人権」を守り、「自由」を尊重する。この動きを進めるものこそが「国際教育」だと考える。