韓国と日本の国際教育の現状比較
金ソウン
深山正光の本『国際教育の研究-平和と人権・民主主義のために』の中では多様な「国際教育」論が書いてある。それが文化的なことでもあり経済、社会、外国語まで本当に文字通り多様な意味で使われているのがわかる。しかし、明らかに定義と言えるものはなかった。あるとしてもそれはあくまでも辞書に書いてある程度の意味にしかならないと言っている。私が考えていた国際教育ということは異文化交流と外国語の学習程度であった。しかし、それはほんの一部のことであることが分かった。今でも「国際教育」を明確に定義するのは難しいと思う。そこには本当に細かいことから国と国の間に影響を与える重要なことまで関わっているので簡単には定義できないと書いてある。
しかし、どのような観点からみても言っていることが同じことがある。それは「平和をめざし、生命の尊厳、人権の尊重、諸国民間の相互理解と友好、民主主義、人類の福祉に貢献」などである。どのような国際教育論だとしても基本的に目的が同じであり前に言ったようなことを含んでいる。
今日、国際教育の必要性が問われている理由を深山は次のように指摘している。一つは政府の文教政策による国際教育の歪曲が新しい段階を迎えているという現実であり、もう一つは、その政策動向のもとで、学校教育の実際において国際教育への取り組みが弱体化しているという現実であると書いている。国際化に対応する教育ことが必要とされる。その改革としては、帰国子女・海外教育子女への対応と学生受け入れ体制の整備・充実、外国語教育の見直し、日本語教育の充実、国際的視野からの高等教育の改革そして主体性の確立と相対化が必要だという。私が日本で留学しながら感じたことは英語教育が充実していないということだ。英語にそもそも興味もない人も多いし、話せたり聞き取れたりする人はほとんどいなかった。韓国ではとても強化教育が盛んで話せなくても書けたり読んだりする人はかなりいるが日本ではそうではないと感じた。私が間違っているかもしれないが韓国と日本の留学率を見てもすぐわかると思う。国内の就職難の問題はさておき、韓国では幼い時からできるだけ海外に行かせようとする傾向がある。しかし、日本の場合、海外に出ようとする学生がだんだん減っていてそれも小さいとはいえないほどの問題になっていると聞いた。国際教育とは必ず海外に行かなければならないものとは言えないが、一番代表的であり効率的かつ効果的な方法だと私は思っている。
国際教育というのは実際の国際教育に関わっていることをすべて説明するのは無理だと思う。第一次世界大戦が終わってから世界が平和の要求にしたがって多様なことを国々が武力なしで発展させようとしている。国際教育という学問としての明確な定義はないかも知れないがその目的は国連憲章やユネスコ憲章に明確であるので基本的な人類の繁栄や国際平和など深山の本の中で何度も繰り返している国際教育の根本的な目的に合わせて国々が自国の教育システムから世界の教育システムまで再構築すべきだと思う。
この指定図書を読みながら頭に残っている単語が何個かあるがそれは平和、人権、民主主義、人間の尊重などで何度も何度も繰り返し出てくるので頭に残っているようだ。かなり難しくて何度読んでもだんだんわからなくなったが国際教育の目的である国際平和と人類共通の福祉の実現だけはきちんと分かるようになった。そして、物凄く細かいことから大きなことまで全てがつながっているので簡単には一言では表せない定義しにくい概念だと思ている。今春からアメリカの大学院に留学するが、この国際教育については時に触れて引き続き考えていきたいと考えている。今後も日本とアメリカへの留学経験を通じて新しい知見が生まれることを期待している。