経験・体感して得られた学び
わたしは、サイパン滞在中に毎日感じていたことがあります。それは現在のサイパン島が持つ自然の美しさに対する感動と恐怖です。今のサイパン島は、約70年前に起こった太平洋戦争による悲惨な光景を全く感じさせない、人気のリゾート地になっています。息を飲むほど美しいこの島のあらゆる場所で、戦死した兵士や自殺した住民の死体、武器、銃弾などといった、自分にとって非日常的なものが、ごろごろと大量に転がっていたのかと想像すると恐ろしく、悲しくなりました。サイパンという場所に来て、その土地の戦跡を含む景色や自然を見たり、サイパン島の人々と触れ合ったりするなかで、いま日々過ごしている環境が平和であることの素晴らしさを幾度も感じました。戦跡をめぐるための事前学習として鑑賞した映画「太平洋の奇跡~フォックスと呼ばれた男~」は、映画であるとはいえ、一斉攻撃のシーンや人々が大勢戦死するシーンなどがリアルだったので、かなりショックを受けました。戦跡を見る際、鑑賞した映画のことを思い出しながら巡ることができたので、戦争についてや平和についての理解をより深めることができました。それと同時にこんなにも悲しい戦争というものはあってはならないと、改めて痛感させられました。
第二次世界大戦・太平洋戦争時に生き、当時のことを知っている人々は少なくなりました。教科書など文章上で学んだことがいかに薄っぺらなものであったかを痛感しました。そして、「世界平和」を推し進めるのであれば、今回のゼミ合宿のような体験学習が人間一人ひとりに必要だと思います。
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